6AC5GTシングルアンプ






ずーーーーっと気になっていた球

ベテラン諸氏も概ねそうではないかと思われますが、故・浅野勇氏の「魅惑の真空管アンプ」にダイレクトカップルドチューブと言うものが載っており、興味を持たれた方は多いと思います。

つねにグリッドに電流を流して使うなんて言うこの変な球は、好奇心を刺激するには充分な存在で、いつかは使ってみたいと思っていました。

ダイナミックカップル回路は今では送信管や水平出力管など、通常のA級動作では不適切な球の使用法として広まっていますが、私の興味は回路構成もさることながら、6AC5GTと言う専用チューブの存在でした。



 

しかしこの6AC5GT、知識として頭に入ってから30年以上が経過しても未だにお目に掛かったことがなく、半ば忘れかけていたところ、偶然ジャンクアンプを入手した折りに付いていたのを見て、一気に作りたい欲が出てきて今回の製作に至りました。

とくに人気があるわけでもなく、もしあればそれほど高い球ではないようですが、太平洋戦争がゆえに日本では未知の球となった運命がなんとなく歴史ドラマを感じさせます。

色々応用を考えれば楽しそうな気もしますが、とりあえず聞いたことがない音を確かめるつもりで、オーソドックスに元々指定されている76をドライバー管に使い、アンプを作ってみることにしました。

→ 設計編