6BM8 規格

ヒーター電圧 6.3V
ヒーター電流 0.78A
最大定格5極部3極部
プレート電圧(カットオフ時)550V550V
プレート電圧300V300V
尖頭プレート電圧2500V600V
尖頭プレート負電圧500V-
プレート損失(低周波出力時)7W1W
第2グリッド電圧(カットオフ時)550V-
第2グリッド電圧300V-
第2グリッド損失(低周波出力時)2W-
カソード電流50mA15mA
尖頭カソード電流-110mA
グリッド抵抗(固定BIAS)1MΩ1MΩ
グリッド抵抗(自己BIAS)2MΩ3MΩ
グリッド抵抗(グリッドリークBIAS)-22MΩ
ヒーター・カソード間電圧±150V±100V
50Hz時の入力インピーダンス-500kΩ
代表動作例5極部3極部
動作A1級シングル
プレート供給電圧200V-
プレート電圧-100V
第2グリッド供給電圧200V-
第2グリッド抵抗470Ω-
カソード抵抗330Ω-
負荷抵抗4.5kΩ-
入力信号電圧6.7Vrms-
プレート電流37mA3.5mA
第2グリッド電流13.3mA-
グリッド電圧-0V
相互コンダクタンス-2200μモー
増幅率-70
出力3.3W-
歪率10%-
  Outline

すぐにでも音を聞きたい・・・と思っていましたので、オリジナル回路をそのまま作ろうと思っていたのですが、やはり手持ちの部品に合わせて変更が必要になってきました。

実験的な意味合いも強いので、ほとんどお金を掛けず、部品箱にある部品を流用します。

今回はシャーシーも自作し好みの大きさが得られるようにします。トランスがチョーク以外は磁気シールドがありませんので、一番お互いのリケージフラックスの影響が出ないレイアウトにします。

パワートランスもメーカーを揃えたいと考えた場合、手持ちのトランスはB電圧が少し高いので、整流管を使用します。


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増幅回路の動作

まず、小型のアンプですのでサブ使用を考え、入力3系統の切替スイッチを付けます。これが案外便利でした。

増幅部は上條氏の回路とほぼ同じですが、保護回路の変更によりシンプルです。
左右チャンネルで実測電圧値が違いますが、中古球ゆえです。

直結回路は球のエミッションが他の段に影響し、動作点が狂うことがありますが、この程度の電圧ですと多少の狂いでも最大定格を超えることは少ないので気が楽です。

この回路、実は6EJ7のスクリーングリッド電圧がプレート電圧よりもだいぶ低いので動作に問題がないか気になっていました。今後の研究課題となりそうです。

アウトプットトランスはいくつかある候補のうち、今回使わなければ一生使い道が無いだろうと思っていた福音電機(現パイオニア)のTH-3を使い、初段はトランジスタが無いのでオール真空管にします。

6EJ7は日立、6BM8は東芝のものを使いました。ナショナルの6BM8も2本ありましたが、エージングしないと少し特性がふらつくようです。



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電源部

増幅回路の球はすべて部品箱にありましたが、整流管は6CA4が無いのでデザイン上MT管を選ぶとして6X4と12RK19が候補になりました。6X4は定格出力電流が70mA程度と足りないので2本使用、パワートランスから得られるヒーター用電圧・電流の都合で12RK19は脱落になりました。

オリジナルではヒートアップ時の過電流保護回路として豆球とリレーが入っていますが、同じ規格のものは持っていませんので省略し、その代わりに整流管のヒーター電圧を少し下げ、整流管が一番最後にヒートアップすると言うシンプルな回路にしました。

この方法は保護回路として万全ではありませんが、自分で使う限りそうそう電源スイッチのオン・オフをくり返さないだろうと判断してこのようにしました。

6X4のカソード---ヒーター間耐圧は450Vありますが、今まで電圧差は少ない方がヒーターハムやラッシュカレントの閃光が無いなど、結果が良かったので念のため同電位となるようヒーターバイアスを掛けています。

また、コンデンサー入力容量が若干オーバーしていますが、最大定格より低電圧・低電流で使用しているのと、パラ使用ですのでこの程度なら問題なく使用できると思い、経過を見てみることにします。


  6X4 規格

ヒーター電圧 6.3V

ヒーター電流 0.6A
最大定格
尖頭耐逆電圧1250V
尖頭プレート電流210mA/各プレートごと
ヒーター・カソード間電圧450V
代表動作例(コンデンサー入力時)
交流入力電圧650V
電源インピーダンス520Ω/各プレートごと
入力コンデンサー容量10μF
直流出力電圧360V(半負荷電流35mA時)
 300V(全負荷電流70mA時)
電圧変動値60V(半負荷→全負荷電流へ)

6BM8超3結回路図

黒字=設計値、緑字赤字=実測値


→ シャーシー設計と使用部品