開けてみると中身がない!




見つかったメモ。基板のパターンは原寸で書いてあった。紙についている茶色の汚れはたぶん基板を作ったときの塩化第二鉄(エッチング液)






薄いシャーシー内部に収めるため、厚みのあるパーツは基板に穴をあけて落としている。




薄いシャーシーにRV24型のバリオームは入り切らないため底板に穴を開けて露出している。


 

解析結果

シャーシーを開けてみると、解析も何もありませんでした。

当時確か完成して音も良かったと思ったのですが、なぜ解体していたのか記憶が定かではありません。

数日考えてみましたが、確か音は良くても動作特性、と言っても歪率や周波数特性などの特性ではなく、動作電圧・電流が良くなかったので解体した、と思い出しました。

元は雑誌に掲載されていた記事を参考にしており、この回路は大幅に最大定格を超えており、良くないため回路図は掲載はしませんが、この件に関しては色々な理由があるので改造編で詳しく説明します。


本機の特徴

本機はできるだけ小さく作るため、初めてシャーシーから自作したアンプでした。

しかしよくこんなに手間を掛けたな、と思います。シャーシーは1.2mm厚のアルミ板ですので、まだ板金折り曲げ機を持っていなかった当時は、折り曲げるのに苦労したと思います。

入力バリオームはRV16型を使えばもう少しラクだったものをRV24型を使用し、入り切らないので底板も穴をあけて飛び出させています。

プリント基板は直接油性マジックでマスクを描き、エッチングしていました。ワット数の大きい抵抗やケミコンはそのままでは厚みでシャーシーにぶつかるため、わざわざ基板に穴をあけて沈ませています。

出力はヘッドホンも使うことを考え、リアパネルにスペースがないので、スピーカー出力もヘッドホン端子からプラグ経由で取り出していました。

パワーオンと同時に銘板が光るようアクリル板で作っていました。確か解体前にはアルミで作った反射板とともに電球も付いていたと思います。

使用パーツで特徴のあるものは出力トランスで、田代電機のTO-10000シリーズ特注品です。元々2A3シングルで使っていたものを外して流用しました。

電源トランスはSELのM-12、チョークコイルはラックスの4BC10、初段管は東芝の12AX7を使用していました。

結果は?

テスター位しか測定機材を持っていなかった当時、どの程度の性能だったかは判りませんが、音は豊潤で良かったと記憶しています。

但し後から解ったことですが、雑誌記事通りの回路ですと電圧表示に間違いがあり、大きく違った結果となっていました。

最大定格オーバーの件もあってこのアンプは長くは使わず、早々に内部を撤去して飾りになったのでした。(・・・と、うろ覚えの記憶)

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