UZ-42 シングルアンプ・泥沼の改造


UZ-42シングルアンプをしばらく使ってみて、大きな不満はないのですが、使いやすくするためにいくつか改造をしました。




1本だけ持っていたNECの2A5




このこみ入ったスペースにシルク印刷はできないので、表示はプリンターで出したシールを貼っています。

  42/2A5切替式アンプに

2A5を中途半端に持っていて、ただ持っていてもなー・・と言うことで2A5も使えるようにヒーター電圧を切り替えられるようにしました。

これは42シングルアンプを作った時から構想に入っており、そのために電源トランスをノグチPMC-150Mにした経緯があります。

切り替えは気安くスイッチをいじられても事故の元になるので少し押しにくい場所が良く、ボンネット装着時は球を変えられませんのでスイッチも操作が出来ない場所を探しました。

結局最短距離で配線できることもあって、電源トランスわきに穴をあけて左右別々にスイッチを付けました。これで左は2A5、右は42みたいな使い方もできます。



ヒーター交流点火

このためヒーターのDC点火は廃止し、傍熱管らしく?AC点火に変更、やりすぎと思っていた配線を少し細く(AWG16→20)し、拠って少しでも電源ハムを低減させるようにしました。

この改造により残留雑音が心配でしたがほとんどの球は約0.1〜0.2mVの上昇と、ほんのわずかしか上がりませんでした。やはり傍熱管にDC点火は不要かと・・・。

むしろ球挿し替えによるバラ付きの方が大きく、ナショナルの42は0.4mVもありました。とは言っても0.4mVですので充分ですが。

2A5の方がヒーター電圧は低いので残留雑音低減の期待はありましたが、やはり直熱管のようにはいかないようです。中古球と言うこともあってデータが取れる差は無かったと言う結果です。

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チョークインプット

前からB電圧が高めで300Ωの抵抗で調整しているのが気になっていました。電源トランスの巻線も一番低い290Vを使っていることもあり、ここはチョークインプットに変更すべきと決断しました。

これも最初から考慮していましたが、残留雑音よりもチョークトランスが唸らないか心配で、コンデンサーインプットとしていました。

ラックスのチョーク4610はダイキャストケースで丈夫に出来ており、余計な心配は無用のようです。使用状態では気にならなかった唸りは、調整時にシャーシー裏からかすかに聞こる程度でした。

ところがこれにより残留雑音が一気に3mV近くまで上昇してしまいました。予想は出来たのですが、唸りばかり気になって肝心のことを忘れていたバツです。

そこでついでに実験をしました。チョーク後のコンデンサー容量を変化させ、残留雑音を計測したところ、下記のようになりました。

ケミコン追加容量2A542B部電圧
元の100μF×2(計200μF)3mV3mV284V
プラス100μF(計300μF)1.85mV1.25mV282V
プラス200μF(計400μF)1.3mV0.8mV281V
200μFのままR82Ωでπ型1.4mV1.8mV275V
200μFのままR120Ωでπ型1.1mV1.5mV273V
  チョークインプット後の電圧が284Vまで上昇したため、並列接続していた100μF×2のブロックケミコンを別々にし、間に抵抗挿入してπ型フィルターとした方が効果が大きく、今さらケミコン追加スペースも無いのでR120Ωのπ型としました。

これでコンデンサーインプット時とピッタリ同じ出力電圧となりました。残留雑音1.1mV〜1.5mVはまだ妥協値ですので今後さらに検討します。

でもそんなにイヤならコンデンサーインプットに戻せばいい話しなんですが、なんと音が変わったんです。低域に締まりが出て中高域もクッキリした感じです。

チョークインプットの方が音がいいなんて聞いたことはありますが今まで半信半疑でした。憶測ですが、5極管の場合チョークインプットにすることにより変動の大きいスクリーングリッド電流に対して安定化したためでは無いかと思われます。

これは最初からチョークインプットで作っていたら解らなかったかも知れません。元々このアンプは電源容量にかなり余裕があり、レギュレーションは良い方でしたがこれは侮れない事実かも知れません。

でも残留雑音は何とかしたい・・・
いえ、そんなに気になるレベルじゃ無いんですが。静かな部屋で能率95dBのスピーカーでも気が付かない程度ですが、電源を切った時に、「あれ?少しハムが出てた?」と感じるくらいです。


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夏場に快適なアンプに

元々発熱に関してはそんなに多いアンプではありませんでしたが、ヒーターの交流化によりπ型フィルターの抵抗が無くなり、チョークインプットにより電圧調整抵抗も無くなったため、かなり低発熱なアンプとなりました。

シャーシーやトランスを触ってもほんのり温かいと言う程度で、夏場も超安定の快適アンプになりました。
  この他に入力端子の色を間違えていたところを気持ち悪いので端子を付け替え修正、さらにメインスピーカーが8ΩのEXCLUSIVE 2301から4ΩのJBL K2-S5500になったため出力インピーダンスも合わせて変更しました。

回路図は既に積分補正部を取り除いた出力8Ω時のものです。
π型フィルター部の120Ωは約0.8Wの熱損失ですので、余裕を見ても5Wで充分ですが、手持ちに無かったため20Wのセメント抵抗を付けています。お陰で発熱の心配は全然ありません。






42/2A5切り替えスイッチ付き、ヒーターの交流点火、チョークインプット式に変更した内部。まだ高域位相補正のCRが付いています。


積分補正回路の廃止

前から小音量時は気にならなかった高域の歪も大音量時に気になっていましたので積分補正を外してみます。
  これによりグラフの通り、10kHzでの歪率が約半分になりました。出力2W時は2.9%もあった10kHzの歪みが0.96%まで減少しています。
しかし今度は超高域のピークが強くなった弊害が出てきました。





予想はしていたものの、ここまで強くなるとは思いませんでした。これもチョークインプットと同じく完全に泥沼と化し、NFBに並列コンデンサーを入れたり、出力トランスの2次側にCRによる位相補正をしたり、色々やりましたがたいした効果は得られず、根本的な解決にはなりません。やはり積分補正の効果は絶大です。   但し入力信号を減らせばその分出力も減る(ゼロにした時も残らない)ので発振してるかと言うとそうでも無さそうです。超高域の位相回転は安定度が音質の変化をもたらすと言うことで問題となるわけですが、これも今回はこのまましばらく試聴し、今後じっくりと取り組んで行きたいと思います。


改造記2→