インプレッション

同じ3極管シングルでもこってりしたふくよかさのある2A3と比べるとスッキリと言うかあっさりと言うか、わりと軽めの音でした。しかしそれが良い方向に行ってるようで、このアンプはみずみずしさがあります。

他の送信管でも似たような印象を聞きますので、これが送信管の音の傾向なのかな?と思いました。

帯域は狭い(当時は測定器が無いので耳感でそう思った)ものの高域は美しく澄み切った音で悪くありません。

中域の押し出しもそこそこありますが、端正すぎるので若干NFBを弱めた方が良いかも知れません。傍熱管とは言え3極管シングル、無帰還でも行けそうです。

送信管として世間で言われるほど低域も弱くないのですが、あまり帯域の狭いスピーカーだと不満になるかも知れません。

  雑感

結局主役の843より目立ってしまったガス入り整流管、前例がありませんし、一番心配なのは寿命の問題です。かつてレイセオンのBHなどは寿命が大変短いと聞きました。しばらく人柱になり、1本ダメにするつもりで使い続けるしかありません。

しかしこのアンプの使用頻度がそう高くないせいもあって、30年近く経った今もこの整流管は寿命を迎えておりません。使い方に問題が無いと言えると思います。

製作当初はプリアンプ使用が当たり前でしたので、このアンプにはボリュームを付けませんでしたが、現在ではボリュームがないと不便なためどうしても使用頻度が落ちます。

いずれ改造しようと思っていますが、最短距離配線を目指してECC81を後ろに持っていったレイアウトが徒となり、躊躇しています。またいつもデザインに凝るため背の低いケミコンを中に沈めたく無く、ケミコンバンドが外に出ているのが心残りでした。この2点でいい案が思いついたら少し手を入れようと思います。

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