PX25・300B・2A3 挿替式シングルアンプ・改造



PX25+ML6+CK1006左前


やっと改造

前々から未完成と言っていた部分をいじらないとなーと思っていましたが、製作してから8年も経ってやっと完成させる気になりました。

どうも腰が重かった理由は、本機の重量にあったようです。トランスの多い本機は重くてなかなかラックワゴンから出す気にならず、そうすると表示がないので挿し替えもスイッチポジションの確認が面倒で、音は良いのに他のアンプと比べると使用頻度が落ちていました。

やっぱり使い勝手は大事です。




↑ LUXの4691からTANGOのTC-160-15Wに変更。サイズが近く、同色に塗装したのでそれほど違和感はない。





↑ 文字シールを貼った。但しこれでも確認は必要。PX25はBias=Lowに、2A3と300BはHighにするなど、確認のため一覧表も見る必要がある。





↑ 整流管後ろのスイッチ。CK1006はフィラメントを必ず1.75Vにして使う。+BスイッチをHighで2A3を使ったら壊す。一番定格の大きい300Bはどの設定でもおそらく壊れない。





↑ リアパネルのパワー管用フィラメント電圧スイッチSBDを使っても2.5Vでは電圧降下が大きいので2A3使用時はここでもACとDCを切り替える必要がある。


 

プレートチョークの変更

本機はいずれLUXからTANGOにプレートチョークを変更することを念頭に穴サイズを両メーカーに合わせて空けていましたので、交換することにしました。

これはインダクタンスの変更でどのように変わるかと言うことの他に、LUXとTANGOの特徴を知りたいと思ったことも交換理由のひとつです。

LUXはケースがアルミダイキャストでできており非磁性体で音の良さと仕上げの良さで定評があります。TANGOはシールド性の良い鉄ケースにカットコアのチョークが収められており、リケージフラックスに強く、こちらも音の良さで定評があります。

最初に使ったLUXの4691は100Hですが、160Hとインダクタンスの大きいTANGOのTC-160-15Wにすれば、もっと豊かな音になるかな?と言う興味がありました。

他にも右チャンネルがAC点火時に残留雑音が5mV近くになってしまったのも電源トランスと近いためで、シールドの厳重なタンゴにすれば、これも抑えられるかも知れないと思っていたためです。

また、4691は新品でシルバーのままでしたが、やはり電源チョークと色を揃えたく、この際同色にしたいとも思っていました。

実際の交換作業はいくら両対応の穴にしていたとは言え、パーツや配線が結構密集していたため、あっちこっち外さないと交換できず、結構大変でした。

測定し直しましたので、結果はそちらを見て頂ければ一目瞭然です。


位相補正

NFB-6dBにした時、118kHz付近で+4dBのピークが出ていたのを抑えるよう微分補正しました。

解りやすいので回路図等表示しませんが、具体的にはNF抵抗と並列に220pFのポリプロピレン・フィルムコンデンサーを入れ、これで完全にピークがなくなりました。

NFBスイッチポジションが0dBと-3dBの時は元々ピークが出ていませんでしたので、その2ポジション時は位相補正されず、-6dBのポジションの時のみされるようになっています。


文字入れ

実はこれが一番気掛かりでした。これだけスイッチの多いアンプなのに文字入れをサボっていたため使い勝手は最悪です。

高価な球を扱うのに+B電圧やフィラメント電圧を高く設定して破損させてしまったら大変です。そのため球を挿し替えた時は、いちいちプリントアウトしたレイアウト図と見比べてスイッチ設定していました。

もっともこれだけ切り替えられるから色々な球に対応できるとも言えます。

所持してないのでテストしていませんが、おそらくバイアスの深い球、例えばDA30系も使用可能です。(最適動作かどうかは別として)

アンプ完成時にスグ文字入れをする予定だったんですが、シルクの版などを不注意でダメにしてしまい、そのうちインクもダメになって長年そのままになってしまった、と言う経緯があります。

しかしここ数年、文字シールに変更したところ、これが思いのほか良かったので、そちらに変更して製作・貼り付けることにして今回完成させました。




↑ ドライバー管のML4とML6のヒーター切り替えスイッチ。安全のため球を抜いた時しか切り替えられない位置なので写真が暗いですが。



→ 再測定