私が数十年ぶりに手を入れて使うことになった真空管ラジオです。と言うのは学生のころに持っていたナショナルの真空管ラジオ(品番は不明)はコツコツ修理して大事に使っていたのですが、ある時「そんな古くて邪魔になるもの処分しなさい」と母に捨てられてしまい、それ以来ラジオを聞くことがほとんど無くなってしまいました。 捨てられてしまった昔の反動で今になって真空管ラジオが欲しくなり、修理にハマった最初の1台目がこのEA-310です。 このラジオで特徴的なのはバンド切替えスイッチが左側面についていて、連動して窓にMW/SWが表示されるデザインです。 コンパクトで幅366×奥行き160×高さ194mmと、机に置いても邪魔になりません。 まずは一通りチェックして動作確認してみるとノイズが多く、電源ハムも乗っていますが受信はできるようです。 マジックアイの12Z-E8はヒーター切れで点灯しませんでしたが、なぜかラジオは動作しています。トランスレス機ではヒーターが全て直列接続されているハズですから何か処置しているようです。 シャーシーを分解して見るとヒーターをバイパスするように抵抗が付いていました。12Z-E8が手に入らなかったのでしょうか。 他の特徴としては当時の最新回路だったんでしょうか、低周波部はNFBが掛かっています。そのため12AV6も通常はグリッドリークバイアスのラジオがほとんどですが、本機はセルフバイアスになっています。 と、言う具合にシャーシー内部を眺めていてこのラジオの修理と改造を決めました。 修理はコンデンサー類は全て交換の他、エミ減の整流管19A3と3Vのパイロットランプが現在では一般的ではなく入手困難ですのでもう少し入手しやすい35W4と6.3Vのランプに変更することにしました。 ヒーター切れのマジックアイ12Z-E8も入手困難ですので、高圧側とヒーター側の両方で専用回路を追加し、6E5や6ZE1が使えるようにし、さらに筐体内部にスイッチを付けてオン/オフできるようにしました。この回路は本体に穴などはあけず、マジックテープで貼り付けるようにしました。 このラジオは一部、ナショナルが独自開発したCR複合部品が使われており、案外面倒だったりします。 |
↑追加回路。アルミ板でシャーシーを作成。 | |
↑筐体内部に貼ってあった回路図。小型ラジオでは珍しくNFBが掛かっている。 ↑変更改造後の回路。12Z-E8が抜けた分、整流管を19A3から35W4に変更してヒーター電圧を調整。一石二鳥。 (回路図の間違いを訂正・2016年2月9日) ↑手を入れる前のシャーシー。調整用トリマーがいじりやすい位置にまとめられているが、 表示がないので解りにくく、回路から追わないといじれない。 ↑追加した回路は右側にマジックテープで固定。スイッチはマジックアイON/OFF用。 | ||
良く考えるとずいぶん気合いの入った改造をしたものです。まあ追加回路のおかげで入手しやすい整流管35W4やマジックアイ6E5が使えるようになりました。 複合ブロックケミコンはダミーで内部に新たにケミコンを追加しています。お陰で電源ハムやノイズもほとんどなく快適に受信できるようになりました。 |
| |
→ もどる |