このラジオ、入手時に動作はしていたのですが、とにかく筐体がボロボロで塗装がハゲだらけ、文字盤背面パネルもサビだらけで見るに耐えない状態でした。 そこで電気的には必要最小限の修理をして、主に筐体の修理に時間を掛けました。 木製の筐体は一度はがして近い色のウレタンニスを3回塗りをしました。元から木を貼り合わせてるようで段差がありますが、これである程度は目立たなくなりました。 文字盤背面パネルは一度キレイに磨いてサビを落とし、元に近い緑色で塗装しましたが若干オリジナルより濃くなっています。 プラスチックのパネルはキズや小さなヒビがありますが、それほど見た目は悪くないので今回はとくに磨いたりしていません。 マジックアイの窓部分は元々ゴールドの塗装がしてあったようで、それが薄くなってムラになっていますが、ここだけ上手くマスキングして塗装するのは難しいので、現状そのままにしました。 |
裏板は無かったので余っていたMDFで自作しました。オリジナルの裏板の形状を知らないので、見た目と使い勝手が良くなる形にしています。 次に電気的なチェックと修理です。音は鳴るのでとりあえず液漏れっぽいケミコンは危ないので、その交換だけしました。 ダイヤル糸は固くなって滑っていたので交換しました。 真空管はエミ減球を交換しました。切れていたパイロットランプも交換しています。このまま使っていたとしたら今までよく19A3のヒーターが断線しなかったと思います。3.2V/0.16Aの電球は今の次代は手に入らず、希少な真空管よりも貴重かも知れません。 マジックアイは暗いところでは開閉が見えますが明るいところだと見にくいので、明るい12Z-E8に交換しました。 | |
↑古いラジオにしては珍しく漏れ電流が少なかったので、ペーパーコンデンサーはそのまま、とりあえず危なかったケミコンのみ交換。 | ||
文字で書くとあまり手が掛かってなさそうですが、木製筐体の塗膜剥離・塗装やダイヤルパネルのサビ落とし・塗装、裏板製作など、結構時間は掛かりました。 ただ、初めにボロボロの筐体を見た時に直るだろうか?と思わせたラジオでしたが、見た目ほどダメージが少なかったのは幸いでした。 |
このラジオもナショナルが独自のCR複合部品が使われています。 よくよく考えると電気的な不良がほとんど無い真空管ラジオも珍しいです。年数を考えると正常でもペーパーコンデンサーは交換した方が良いでしょうが、寿命末期の症状を見てみたい気もするので、そのまま使ってみようかと思います。 | |
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