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珍しいラジオです。Hi-liteのロゴだけでメーカー名などは書いてありません。タバコのハイライトと同じロゴですので、当時の日本専売公社(現在のJT)が用意した何かのノベルティか、キット製品でしょうか。 しかも珍しくFMが聞けますが周波数が海外仕様です。日本でFM放送が始まったころは真空管ラジオの末期で、トランジスターラジオに置き換わり出したころですので、FMの聞けるラジオはあまり多くありません。 時代背景はともかく本題に入ってラジオの状態を見ると、ジャンク品とのことでACコードも切られていましたので、相当の修理が必要なようでした。 キット(だと思う)製作者が、パネルの穴位置が合わなかったせいか、ライターであぶってムリに穴を広げようとした形跡があり、若干ですが樹脂パネルが歪んでいます。また、リアパネルはカドが取れているためネジ止めは3カ所しか出来ません。いずれリアパネルも作った方が良さそうです。 動作していた時、感度が悪かったのかバーアンテナにリード線が巻き付けられています。たぶんこのラジオは海外向けで電源電圧がAC120V仕様(ヒーター電圧合計で見ると121.8V)でしたので、日本では電圧が低くて感度が悪かったのでは無いかと思われます。 そこで修理も兼ねて改造もしたいと思います。 | |
↑修理前。カラーコードの抵抗や一部セラミックコンデンサーが使われているところを見ても真空管ラジオとしては末期の製品だと解る ↑修理後。ペーパーコンデンサーもオイルコンに交換。追加回路は右側にアルミシャーシーを作って結合。 | ||
まず不動の原因ですが配線切れと真空管のエミ減が原因でした。切断されたACコードの修理とコンデンサー交換等の他、120V仕様を100V仕様にする方法を考えます。 FM付きと言うこともあって使用真空管も変わった構成で、17EW8、12BE6、12BA6、12BA6、12AL5、12AV6、35C5、6ME10です。 このうち足りないヒーター電圧対策として6ME10と12.6V球のどれか(シマッタ、記録し忘れた)は小型のトランスを追加してそちらから電力をもらい、17EW8+35C5+12.6V球×4=102.9VをAC100Vで点火することにしました。 ついでにマジックアイ6M-E10は消耗防止でオン/オフスイッチを背面に付けて出しました。 B電圧の方はセレン整流器が使われていたので、シリコンダイオードにすればAC電圧分くらいは電圧が上がります。 トランス追加でスペースが無くなるのでヒューズホルダーは追加シャーシー上に移設しました。 ここまでで動作確認をするとボリュームのガリがヒドイため交換しました。手持ちにローレットシャフトのスイッチ付きボリュームが無いため、つまみネジ止め式のボリュームになりオリジナルのツマミが付けられず、とりあえず黒いツマミを付けています。 海外仕様の周波数88-108MHzなのでFM放送は受信できませんが、NHKのテレビの音は聞けたので問題ないようです。(修理時点ではまだ地デジになる前) |
AMバーアンテナ付きですので、さすがにこのラジオが一番感度が良く、トランジスタラジオと遜色ないレベルです。アンテナを繋がなくてもAM放送はバッチリ受信できます。FMはアンテナをつなげる必要があります。 アンテナ線がダラダラ長く付いていると取り廻しにくいため、今回もターミナルを付けています。 本来はFM周波数を国内仕様に改造したいところですが、コイル巻き直しを数十年やってなく自信が無いので諦めました。ホントはディップメーターを以前処分してしまったためと言うのもあります。最後に巻いたコイルは高周波用ではなく、スピーカーのネットワーク用だったかな・・・。 | |
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