デジタルクロック付き・自作定電圧電源

デジタルクロック付き・自作定電圧電源


フロントパネル


リアパネル

↑ トグルスイッチは周波数切替、その隣の穴は何を付けていたのか覚えてない。右上に製作年やスペックなどをメモしたラベルが貼られていたが、劣化で剥がれてしまった。


基板パーツ面

↑ まだ配線が整理されておらず、今見るとヘタだなーと思う。当時はメンテナンス性まで考えが及ばなかったらしい。


基板ハンダ面

↑ 当時は一部ハンダの盛りだけでパターンを作ると言う荒業をやっていた。マネしてはいけない。


基板ハンダ面

↑ 容量低下はしていたがカラッポと言うほどではなかったケミコン


基板ハンダ面

↑ 本当はこれよりLED表示がもう少し暗い


  この定電圧電源は最初に作ったのは1975〜1976年とリアにラベルが貼ってありましたが、1987年頃に一度、大改造して現在に至ります。

自作・改造した時の目的

まだアマチュア無線の方に重きを置いていた当時、ハンディ機(今で言うポータブル機)のICOM・IC-202やNational・RJX-601を固定で使うために12V/3A程度の定電圧電源が必要と言うことで作ったと記憶しています。

メーカー製のものは高価で単機能でしたので、タイマー付き・可変電圧のものが欲しくて計画しました。

MM5311Nを使ったデジタルクロックキットに味をしめ、今度は初歩のラジオに記事が載っていたタイマー機能のあるMM5316Nに手を出し、定電圧電源の方も流行りのパワーIC(サンケン・SI-3554M)を組み合わせて作りましたが、まだ中学生だった私がこんなに凝った外観のモノが出来るハズがありません。

最初は確か仕上がりが雑だったと思います。もっとスイッチ類も少なく、出力端子も陸式ターミナル1組、表示部は蛍光表示管の水色表示でした。

改造した頃はモデル工作室のある工業デザイン事務所に勤務していたため、メーカー製品顔負けの仕上がりにすることができました。

フロントパネルは文字を写植で打ち(いや、モンセン書体集で手組みしたかも)→版下作成→トレーススコープで製版フィルム撮影→シルクの版のみ外注→自分でシルクスクリーン印刷をした、と言う大変手間の掛かることをしました。

蛍光表示管をやめてわざわざドライバー用トランジスタが多数必要なLED表示器にしたのは、時間が経つとセグメントによって焼き付きで明るさにムラが出てきたのを嫌ったためだったと記憶しています。

今なら真空管マニアらしく蛍光表示管のままにしておけば・・・と思いますが。

また、クルマのシガライターソケットを内蔵してカー用品を使えるようにしました。当時シガライターソケットは安定化されていないバッテリーチャージャーには付いている製品がありましたが、安定化電源にはなく、これが使ってみるとかなり重宝しました。

出力端子もスピーカーのワンタッチターミナルを使い、モービル(当時はモバイルとは言わない)トランシーバーにも使えるようリアにもターミナルを付け、ACアウトレットもタイマー連動と非連動を装備するなど機能面でもかなり凝りました。

鈴蘭堂のケースは元はクリーム色でしたが、だいぶ汚れていたので調色したオリジナルのグレーに塗装し、フロントパネルだけはアルミ板を折り曲げてイチから作り直しました。

しかしよくこの狭いフロントパネルにスイッチやLEDを密集させたなぁと思います。

症状と原因

3年位前に久しぶりに電源を入れたところちゃんと使えていたのですが、最近久々に使おうとしたら全機能がボロボロでした。

定電圧電源部はオンにはなるものの出力電圧が以前のように上がらず、動作不安定、タイマー部はLED表示がかなり暗く、スヌーズがオンになるとリレーがブザーのような激しいチャタリングを起こす始末です。

こちらも寿命と思われるケミコンは無条件で交換です。計測してみると定電圧電源部の容量抜けは思ったほど酷くなく半分程度ですが漏れ電流により電圧が上がりにくくなっていました。

デジタルクロック部の方はやはりブリッジ整流直後のケミコン容量がカラッポになっていました。

ケミコン交換で直ったところを見ると、つまりリレーのチャタリングは50Hzでオン・オフを繰り返していた、と言う感じで納得できます。

修理その後

写真では露出補正していますので明るいですが、LEDってこんなに暗かったっけかなー?と思うくらい暗くなっていました。

おそらくLSIの出力かドライバーのトランジスタ部分の電圧低下が原因かと思いますが、こんな凝ったフロントパネル構造にしてしまった関係で分解が大変、こればかりは修理せずそのままにしています。そこまで追求するのはかなりの気力が必要です。

でも自作の良いところは回路図があり、自分で動作原理が解っているので修理しやすい、と言ったところでしょうか。パーツの入手ができればほぼ100%修理できます。

この後、秋月電子通商の基板キットを使ったファンクションジェネレーター+周波数カウンターは同じケースを使い、もっと凝ったモノを作りました。管球アンプの仕上がりに凝るようになったのも、この定電圧電源がキッカケになったかも知れません。

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