Sunpet-C デジタルクロックキット

Sunpet-C デジタルクロックキット


修理後のクロック


液漏れしたケミコン

↑外してみると+側リード元に液漏れの跡がある


ケミコン交換後の内部

↑ケミコン交換後の内部。水色のケミコンも少々古いが。


リアパネル

↑ロータリースイッチで進む方向しか時間調整できない


  長年愛用していたデジタルクロックキットがとうとう壊れてしまいました。

入手時の経緯

確か中学生の時だったと思いますが、夏休みに電気科の教授だった叔父の家に長期滞在した時に、何か作らないとヒマだろうと言うことで、このクロックキットを買ってもらった気がします。(自分で買ったかも知れない・・・うろ覚えですが)

当時ナショナルセミコンダクター社からMM531xシリーズのLSIが発売されて、デジタルクロック製作が流行っていましたが、いかんせん高価でこのような機会がなければ自分では買えず、縁がなかったかも知れません。

回路の特徴

デジタルクロックと言えば安価なものはまだパタパタ時計が主流でしたが、LSIが出たことにより数字が光るモノに一気に変わりました。

と言っても以前からあったニキシー管なら安くできそうですが、当時はまだICでロジックを組む必要があり、時計をデジタルにするには大変な労力が必要な時代でした。まさにLSIさまさまです。

この時計はMM5311Nを使用し、ケースは鈴蘭堂の高級感あるタイプで、基準クロックは電源同期式ですが、オプションで水晶発振回路もありクォーツにできると言うものでした。

蛍光表示管(VFD)のモノの方が若干安く、7セグメントのLED表示器はまだ高価でLSIが直接表示できるほどの出力がないので、トランジスタ13本(7セグメント+6桁)追加でドライブする必要がありました。

タイマー等もなく、こんな表示だけの単機能な時計が1万円台とは今思えば相当高価だったと思います。

症状と原因

この時計、以前からたまに表示が不安定になり、光ったり光らなくなったりするようになり、最近はフラッシュするようになりました。

原因は容易に想像できます。時計は24時間つきっぱなしですので、1年=8760時間もありますから、電解コンデンサー(ケミコン)は数年で寿命になります。

途中、コンセントから抜いて不使用な時期もありましたが、かれこれ45年以上も経っていますので、ケミコンはとっくに寿命でヘタっていると思います。

当然無条件でケミコンは交換しますが、外してみるとやはり+側のリード元に液漏れした跡があります。

計測してみると470uFのハズがpF単位まで容量抜けしていました。

他にもきっちりメンテナンスして数十年のお勤めを労ってあげようと、ヘタっていた表示部アクリル板の押さえをマジックテープに交換、ケースのビスもサビと曇りで汚かったため新品のバインドビスに交換し、丁寧に掃除して修理完了としました。

長期使用で解ったこと

ところでこの時計を長期使用して解ったことがあります。製作した当時は1日に2〜30秒は狂っていた(と言っても早くなったり遅くなったりで、トータルではそうでもない)のですが、令和の現在、毎日ほとんど狂いません。

それだけ東京電力の周波数が正確になったと言うことでしょうか。ヘタな輸入品のクォーツ時計より電源同期式の本品の方がよほど正確です。


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