12GB7使用時。




25E5使用時。メーターを見ながらプッシュプルの上下バランスを調整できるようにした。メーター隣のロータリースイッチは左右を切り替えるため。


  回路構成

手元に水平出力管のデータが乏しかった当時、何かの規格表に載っていた参考回路図を見て動作条件を決めて行きました。少しでも出力が欲しいのでパワー段はB級動作、固定バイアスです。

初段と位相反転段は複合管の6AN8を使い、アルテック型P-K分割位相反転とし、初段とは直結です。パワー段の入力電圧があまり大きくなくて済むためと、昔のテレビの抜き球で6AN8を大量に持っていたために、この回路に決めたと思います。

16A8プッシュプルと同じように、このアンプもなるべくローコストで中古部品の使用をメインで考えていたため、回路構成は手持ち部品から決まり、電源は以前と同じヒータートランスを使用してB電源はパワートランスレスとしました。

中古部品であるがゆえ、パワー管はペアチューブは無いものと考え、上下バランスとバイアス電圧は本体をひっくり返して開けなくても調整できるようにし、バリオームは全てツマミ付きで、上部に配しました。

バイアス電圧はチップジャックにテスター棒を挿入して測れるよにし、FMチューナー用のラジケーターが余っていたので上下バランスはこのメーターを見て調整できるようにしました。

12GB3、12GB7と25E5のヒーター切替スイッチは例によって球を抜いた時じゃないと操作できない位置にし、12GB3、12GB7の時はヒータートランスから12Vを供給、25E5の時は4本直列となってAC100Vから直接供給できるような回路にしました。


使用パーツ

12GB3、12GB7、25E5・・・東芝、松下、シャープなどあらゆる国産メーカーの在庫がありますので、ペアにし易いものを様子を見ながら使います。

当時まだチューブチェッカーを持っていなかったので、かなり試行錯誤しました。

6AN8・・・これも抜き球が大量にあり、松下のものを使いました。

アウトプットトランス・・・当時ハイパワーのトランスを持ち合わせていませんでしたので、MJ誌の部品交換紹介欄でマニアの方に譲って頂いたラックスのOY15-3.6KHPを使いました。今思えばこのトランスは大電流の水平出力管には向かないと思います。

ヒータートランス・・・16A8の時と同じもので、大量に余っていたものです。12V巻線から各ヒーターへ、31V巻線はバイアス用のC電源に使っています。

チョークコイル・・・アウトプットトランスを譲って頂いた方にオマケでもらったラックスのC-1744です。これをスクリーングリッドの低圧側に入れて使いました。

シャーシー・・・これだけは鈴蘭堂のSW-40型ボンネット付きシャーシーを新品で購入しました。プッシュプルステレオで使うには少々サイズがキツかったようです。

CR類・・・すべて手持ちの中古です。ほとんどが真空管式のテレビやラジオから外したモノだったような気がします。

スイッチ類・・・フジソクのシーソースイッチを新品で購入しました。この頃からデザインに凝りはじめ、チップジャックやプレート用線材も同じ色で統一しました。

ソケット・・・QQQ製の中古部品を使ったと思います。

ブロックケミコン・・・大量に余らせているのでどんどん使えとばかり、そびえ立たせました。メーカーはFOX、松下、日本ケミコン、ルビコンなどバラバラです。

RCAジャック・SPターミナル・・・これらも他のアンプを解体して余っていたものを使いました。RCAピンプラグは1つ余計ですが、余らせています。


→ 回路図が無いので結果