シャーシー構成部品

今回のシャーシー構成パーツ。塗装済みで文字入れはまだ。サイドパネルはコの字アングルと接着済。写真の他にも後からサブパネルを4枚追加した。

ピンクトランス

シャーシー塗装前の途中経過。トップとボトムパネル、サイドパネルを付ける前。トランスをオールピンクにしていたが、シャーシー色との組合せが良くなかったので、ここまで作っておいてまた分解・変更した。

  シャーシー設計

今回はシャーシーも完全自作でかなり凝りました。

まず、大型アンプでトランスの重量も相当ありますので、使用時に移動だけでも大変です。そこで通常ゴム足を使うところにゴムキャスターにし、ラックに入れたりするのが楽なようにしました。

もちろんパワー管の挿し替え時もシャーシーをひっくり返して調整なんて重くてやってられませんから、グリッド電圧・カソード電流(プレート+スクリーングリッド電流の合計)がそのままの状態で計れるよう、テスター棒挿入用チップジャックと主なVR類も上部に出し、調整できるようにしています。

パワー管挿し替え時にベース部分を持てるよう、段落としは放熱に影響無い最小限にし、サブパネルも多数作りました。

手持ちの工具だけで加工ができることを考えると、あまり厚いアルミ板は使えませんので、1.5mm厚とし、トランスの重量に耐えられるよう3mm厚のチャンネルなどを多数使ってフレーム構造としました。シャーシーを軽いまま強い構造にすると言う意味もあります。

さらにこのアンプではもっと面倒なことをやりました。ホコリが目立たないようシャーシーのパネル色はシルバーですが、元のグレーシャーシーの上から球やトランスをつけたままかぶせる、と言うか外せる構造とし、管球アンプの永遠の課題であった掃除のしやすさを追求しました。

もしキズを付けてしまった場合や、改造により文字表示変更の必要が出てきた時は、トップパネルだけを修復・再塗装すればいいようになっています。

この構造、トランスの寸法誤差やケミコンのわずかの傾きで抜けなくなるため、加工・組み立て共かなり神経を使います。

細かいところでは、今回はサイズが大きく面積に余裕があるためスピーカー端子を4、8、16Ω全て出しました。メインで使っているJBL S5500が4Ω、他に自作SPが8Ω、以前は6Ωと16Ωのユニットも使っており、接続が面倒だったこともあります。

ここまで来る課程ではかなりの迷いがあり、写真のように当初はトランスの色もチョークと同じ薄いピンクにしていたり、何度も塗り替えました。塗装と加工でかなり手間が掛かっています。



リア


使用パーツ

球は全て長年持っていたものです。メインは松下の6CA7ですが、テレフンケンのEL34、GECのKT88、東芝の6L6GCなど、数十年前に安く手に入れたものばかりです。6267/EF86は後から購入したシーメンス、12BH7Aは大量にある東芝や松下などの国産です。

トランス類は当初、MS-450DやFW-100-5など、カドのあるタイプを使う予定でしたが、後からトップパネル取り外し式にしたため、MS-450DRやFW-100-5RなどのR付きに変更しました。

理由はものすごく些細なことです。カドありタイプは下の方にビスが出ていて、トップパネル取り外し式の時、丁度その部分に当たるからです。本来チョークとも合うし、カドのあるタイプの方が好みなのですが。
  カップリングコンデンサーは昔、大量に買って余らせていたスプラグのオレンジドロップ、抵抗はほとんど酸化金属被膜、バリオームは音量用がアルプスのクリック無しタイプのミニデテント、バイアス調整用はRA30Yの大型巻線タイプ、ケミコンは一部セラファインと日本ケミコン、RCA入力と各球ソケットなど、接点のあるものは全て金メッキタイプ、などです。高価なものは使っていませんが、安価なものも使っていません。質が良くてコストパフォーマンスの優れたものを選んでいます。

パイロットランプはもの珍しさからピンクLEDです。じつはここも頂き物のドリームライトと言うピンクに光る放電管を使う予定でしたが、デザイン上使う意味が見出せず、ほとんど似た色の手軽なLEDに変更しました。


→ 測定結果と試聴