構成シャーシー

↑ 製作した構成シャーシー一式。小さいプレートはUZ穴にMT7Pを付けるアダプター。


OPT3種類

↑ OPTはこの3つが候補。左から7WのSEL・OT-42S、6WのTANGO・U-608、5WのATOM・品番無し。ビミョーなワット数の違いを大きさが表している。


再塗装したOPTとチョーク

↑ 再塗装したOPTとチョーク。


再塗装した電源トランス一式

↑ 再塗装した電源トランス一式。コアはサビ止めサフェーサーは全体に塗っているが、色は見える部分のみ。長いビスはサビサビなので頭だけ磨いた。


平面写真

↑ 輝度の低下した6E5-Dとパワー管に12GB7を装着してみた。在庫の都合でプレートキャップのサイズが左右で違う。PTとチョークの色が違うのはたまたまこの色の塗料の在庫が少なかったため。

 

使用パーツ


今回は徹底的に中古や新古品パーツを使用し、新たに買ったモノは調整用の抵抗くらいで、ほとんどありません。

使用球はパワー管が6GB3A、6GB7、12GB3、12GB7を挿し替えますが、偶然全て東芝になりました。整流管6GK17も東芝製がエミッションが良く揃っておりメインで、サブでバラつきのあるNECとTEN(現・富士通)も使います。

マジックアイは相当バラついているので輝度低下した中古10本程度を挿し替えて使ってみます。中でもトーヨーの6E5-Dほど捨てるのがモッタイない球はありません。相当輝度低下したモノが3本あります。

定電圧放電管は印字が消え掛かっていて判りませんが、オレンジの文字なのでレイセオンかRCAだと思います。60本程度あるもの全てUSA製だと言うことは判っていますが、印字が怪しいモノは0A2か0B2かも判りません。しかし本機でテストして全て判別しました。

在庫の中から選ぶことにしたため、OPTは写真の3つから一番他で利用しそうもないATOM(浅川電機)のものを使うことにしました。予定出力やプレート電流をあまり流さないため、一番小さいのを使い、残りの2種類は他で使う予定にしました。

電源トランスも同じデザインにしたいのでATOM製にし、チョークはATOM製を持っていないのでLUXの5BC10にします。

シャーシーは予備で買ってあるアルミ板を切り出して自作します。今回はドライブ段を2段にする可能性もあったため、UZ6Pソケットを左右で2個づつ取り付けられるようにし、そのうち1つに定電圧放電管・0B2を取り付けるようMT7Pのアダプターも製作しました。

配線材と端子類は長期在庫の新古品、他はCRからスイッチ、ラグ板に至るまで全て中古品ですので、使用前に端子やツマミ部分を磨いたり結構時間を掛けて用意しました。中古パーツは案外面倒ですが、一度ハンダが乗ってるモノは端子部が腐らず、再ハンダはしやすいです。

トランスの再塗装はバンド型OPTの場合、結構面倒です。まさか水を掛けてペーパー掛けできないため、完全に元の塗装をきっちり落とせず、端子部だけマスキングして仕方なく同じ黒で再塗装しました。本当は他の色にしたかったのですが。

まあ、ほとんど中古パーツなのに新品アンプに見せるためには必須の作業です。


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Layout


今回はサイズがビミョーで市販に合うサイズがありません。また、パワー管と整流管の発熱が多く、放熱孔もかなり多くあけました。実はこれが第2のメッ、でした。

シャーシーから自作、しかも市販品にはないサイズ、また、穴数が多くて手数が多いのはハードルが高いと言う理由です。ごもっともです。

ローコストで自由なデザインにしようと思うと、いずれは通らないとイケナイ道のような気もするのですが。

レイアウトとしてはあまり自信がない左右シンメトリーとしました。このレイアウト、思ったよりうまく配線の取り回しができず、見た目とは裏腹に左右チャンネルの特性が合いません。

電源スイッチやバリオーム、リアパネルの端子類を左右対称にできないためですが、しようと思うと結構苦労します。

LUXのKMQ60を見ても同じことが言え、プロの設計でも苦労するんだな、と常々思っていました。但し重量のバランスが良いアンプは使い勝手が良い利点もあり、今回試すことにしました。

OPTの高圧部が露出しますが、直接プレートキャップに配線でき、ひっくり返さなくてもプレート電圧が測定できる、と良い方に考えています。いずれゴムなどでキャップしたいと思います。


→ 測定結果と試聴