改造前

手を付ける前の状態


ジャンクの原因

このアンプの入手経緯はオークションです。ある日、たまたまぼんやりオークションを見ていたところ、終了間近の当アンプが目につきました。

もうすぐ終了だと言うのにジャンクのせいか一向に価格が上がりませんので、昔、羨望の眼差しで見ていたこのアンプにダメもとで入札したところ、かなりお安く落札できてしまいました。(値段はナイショ!。フフフ)

しかし結局いつもの忙しい病で、入手したは良いが数年ほったらかしでしたが、2A3シングルアンプを計画するにあたり、違った回路での音を聞いてみたくなり、SRPPドライブの本機を引っ張り出して日の目をみることにしました。
 

説明文章では電源は入る(ネオンが点くと言う意味のよう)だが、音出しは確認できないとのことでしたので、修理前提は当然のことと、さらに古さゆえの使いにくさや見た目の詰めの甘さが少しありますので、そのあたりも手を加えることにします。

確認してみると、音は出るがどうもおかしい・・・、なんか力のないもどかしい音です。SRPPドライブにすると歯切れの良い(ダンピングの良い)音がするものですが、このアンプは真逆の印象です。

まずは各部電圧測定から。このアンプはシンプルで回路図がなくても予測できるので助かります。


改造前の内部

↑手を付ける前の内部


電圧測定・・・と思って底板を外してみると、まずはおかしなところがすぐに解りました。

クイズです。上記写真を見て変なところが解りますでしょうか。偶然ですが私は底板を開けて数秒で発見できました。答えはこちらです。

ただ、この原因だけでそこまで音が弱々しくなるとも思えないので、他にも原因を探ってみると、前2本のブロックケミコンのリークにより大きくB電圧が下がっていました。

この2つの原因があれば十分音が弱々しくなるのも解ります。ブロックケミコンは手持ちのJJ製に交換しました。

また、アース母線が6Z-DH3Aのヒーターピンの間を通り、ショートしそうなところなど、危なっかしいところは一部配線もやり直しました。
 

↑JJのブロックケミコンに交換した



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↑整流管ソケットが高くなっている。





↑ソケット交換後。だいぶマシになった。


  整流管ソケットの交換

性能とは関係ありませんが、整流管5U4Gが2A3より飛び出しており、気になったので見てみると、やけに背の高いUS8Pソケットを使っていました。

これは手持ちの中でなるべく低いものを探して交換しました。




↑交換前。整流管が2A3より高く飛び出している。



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背面改造前

改造前のリアパネル。


背面改造後

改造後のリアパネル。


RCA入力端子の交換

現在のRCAステレオピンプラグコードはこのような狭い間隔の入力端子に挿せません。(昔でも厳しかったかも)

ステンレスシャーシーは固く、また、なるべくオリジナル派ですのでシャーシーを削ることはしたくなかったのですが、使いにくいので、ここはやはり削って間隔を広げることにしました。
  SP端子の文字表示

元々スピーカー端子には何も書いておらず、これではどこが何オームの端子か解らないので、シールを作って貼りました。

本当は端子自体もバナナプラグ対応のSP端子にしたいところですが、スペースと形状的に厳しいので、この改造は見送りました。




↑元々ついていたツマミ



ツマミの交換

オリジナルかどうかは解りませんが、かなり小さなツマミが付いており、ボリューム根元のナットも見えてみっともないので、ちゃんと隠れるタイプのものに交換しました。
 

↑ツマミ交換後





これでシャーシーとツマミとのクリアランスは約0.5mmです。



→ 測定結果