測定結果



入出力特性です。グラフは左右とも似たような結果でしたので左チャンネルのみ表示しています。

裸利得は28.8dB、NFB後は15.6dBでNFBは実測で-13.2dBとなりました。だいたい設計通りの入力感度になりましたが、入力0.9Vあたりがクリッピングポイントで、その時の出力が約2.9Wです。
球がすべて中古でエミッションが低下しているため目標値の3Wに届きませんでしたが、ナショナルの42では1V入力で3.3Wとなりました。

さすがに6AU6、42とも中古球ばかりですので、挿し替えるとゲイン、歪み、SNなどすべてが大きく変わってしまいます。但し色々挿し替えてみるとこの回路自体は設計値の1V入力/3W出力は達成できています。




歪率です。シングルアンプとしては標準的なものですが、5極管接続にしては頑張っているかな?と言うところです。高域10kHzの歪率だけ少し悪いようですが、位相補正の積分回路によるものと思われます。NFBの効果は歪率を見てもきっちり計算通りで約13dBほど低下しています。 5極管接続ですが思ったよりもソフトディストーションカーブなので数値ほど歪みっぽさは感じません。標準的な回路のわりには1W・1kHz時1%を下回っていますので、ヨンニーも悪くないな?と言う印象です。6AU6を新品で選別すればもっと良くなると思われます。




周波数特性です。5極管シングルとは思えないワイドレンジはひとえにOPTと高NFBによる結果です。内部抵抗の低い2A3や300Bには絶対勝てないだろうと予想していたのですが、やはりFW-20-7Sは正解でした。 だいたい16Hz〜45kHzが-1dBにおさまっています。高域のピークは112kHz付近でした。積分補正により程良く抑えられています。もう少しピークを抑えたい気もしますが、とりあえずこのままにします。




ダンピングファクターです。平均5.7、20Hzと40kHzで激しい落ち込みがあり、10Hzと60kHzで盛り上がっているのは内部抵抗が上がっている証拠ですので、ひょっとして位相回転を起こしてるかも知れません。今後検証課題とします。
チャンネルセパレーションは所有の測定器では計測不能(測定限界値以下)でした。
左右ヒーター別点火、B電圧をチョーク後に左右振り分けている効果が出ています。残留雑音は球によって大幅に変わります。一番ローノイズとなったのはマツダの42で0.08mV、松下の42は0.42mVでした。中古球の割にはこの優秀な特性は傍熱管でDC点火ですから当然と言えば当然です。




さて、音は?

この音はラジオのヨンニーの音ではありません。立派なステレオアンプの音がしています。スピーカーは能率97dBのEXCLUSIVE 2301をつないでも電源ハム音は聞き取れません。出しゃばったところが無く、長時間のBGMには最適なアンプとなりました。まあ、出しゃばったところが無いと言うのが高帰還アンプの特徴なんでしょうけど。

42はオルソンアンプくらいしか有名なアンプが無く、電蓄時代の球が現代のソースに通用するのかと心配でしたが、ちゃんと使えばマトモな音が出せると解りました。
製作後の雑感

このアンプで製作後すぐに失敗と感じたことがひとつあります。電源とB電圧印加スイッチですが、内蔵のLEDが明るすぎて管球アンプ雰囲気をブチ壊してしまいました。
LEDの規定電圧・電流よりかなり絞って点灯させていますが暗くなりません。

もっと暗いLED内蔵のスイッチがあればいいのですが、今さらネオン球のパイロットランプを取り付けるスペースも無く、いいスイッチが見つかり次第変更しようと考えています。




→ 改造記