回路構成

一番シンプルなCR結合の2段構成です。電圧増幅は6AU6A、オイルコンのカップリング、2A3となっており、こんなシンプルな回路でも勉強になりました。

なぜ3極高μ管が使えないかが記事に書いてあり、それによると2A3のような古典管はグリッドリーク抵抗を大きくできないので、定番の12AX7ではゲインが足りず、NFBも掛けられないとのことでした。

これはその後、たびたび同じような場面に出くわすことになり、数年後に出版された浅野勇氏の「魅惑の真空管アンプ」にもUX-50を題材として書かれており、頭に残りました。
 

回路はすぐ解析できると思いますが、それはいずれの機会にするとして、興味深いのはパスコンと並列にすべてマイラーコンデンサーが付いています。ケミコンは周波数特性が悪いと当時も解っていたんでしょうか。

このアンプで整流管はコンデンサーの容量に制限があることやOPTで音が変わることも学び、やはり最初の1台は知識を得る材料が満載だったと思います。最近まで壊さず残しておいたのは、そんな思いがあったからかも知れません。


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当時、秋葉原でメジャーだったMarconiの2A3。ラジオセンターの何でもあるパーツ屋で買った。球専門店じゃなくても売っていた。




中学生のガキが作ったにしては良くできてるでしょ?

  使用パーツ

2A3・・・初めてお金を出して買った真空管です。当時秋葉原でメジャーだった2A3はRCA、Marconi、JMTECの3社で、この3つはどこのお店でも買えました。

もちろん学生に高いRCAは即却下(確かペアで8,000円だったと思います)で、残った2つから形が良かったマルコニーをペア4,800円で買ってきたとメモがあります。

既に拾いモノのテレビ球を数百本持っていた私には「国産球は拾うモノだ」と思っていたフシがあり、安くてもジムテックは選ばなかったと思います。

この2A3、買って来て箱を開けて見るとオレンジ色でMade in Canada JAN-2A3と書いてありました。 当時はよく意味が解らず、マルコニーはカナダなのかーと思っていました(笑)

またJANと書いてあると普通の2A3とはどっか違うのでは無いかと心配になり、色々本を読みあさって調べた記憶もあります。

JAN = Joint Army and Navy の略でアメリカ陸軍&海軍の軍用管と言うこと
Airforceはなぜ無いかって? 気圧の低い空では特殊な真空管以外は使えません


5U4G・・・こちらはいろんなメーカーが豊富にあり、値段もそう変わらなかったのでRCAのものを1,800円で買ったとなっています。

6AU6WA・・・6AU6は抜き球を数本持っていましたが、せっかく高いお金(当時の学生には)を出して作るのだからと、Sylvaniaの新品を2本2,000円で買ってきました。

アウトプットトランス・・・当初タンゴのU-608を記事通りに買ったのですが、OPTは重要だと他の記事で読んだため、当時雑誌に良く広告が出ていた田代電機にお願いして2.5kΩのトランスを特注しました。ペアで8,600円と記録されています。

このトランス、ハンマーグレーの色が気に入らず、自分で白く塗った憶えがあります。結局使わなくなったU-608は未使用のまま初歩のラジオ・部品交換欄に出して売ってしまった憶えがあります。

電源トランス・・・直熱管はハムバランサーでバイアス抵抗を付けるのが普通ですが、電源トランスにセンタータップがあると不要と言うことを知り、わざわざそのために田代電機に特注しました。8,670円です。

チョークコイル・・・写真では写っていませんが、予算オーバーのためテレビから外した中古品を使いました。ところがリケージフラックスに悩まされ、B電圧は落ちますが抵抗に置き換えた憶えがあります。

シャーシー・・・リードのSG-3がカッコ良かったので選びました。いい加減な記録でしたので値段が書いてありませんでした。

CR類・・・今ほど細かいパーツにウルサイ時期じゃありませんでしたので、雑誌にならってオイルコンデンサーのカップリング、デカップリングは日本ケミコン、抵抗はまだカラーコードが読めなかったので、文字で表示してある金属被膜抵抗にした・・と記憶しています。

LED・・・当時まだ管球アンプのパイロットランプはネオン球か電球が普通で、LEDは新しくて大変珍しいものでした。そこで早く使ってやろうと考え、東芝のTLR-105と言うダイヤカットされたブラケット入りを買ってきた憶えがあります。スゴく高かったような気がします。

ソケット・・・テレビの解体でモールドかウエハー型のソケットしか見たことがない当時、タイトソケットなる熱に強い高級品があると初めて知りました。当然耐久性がいいと書かれていれば高くても買うことになります。

と行ってもUX4Pが単価230円、オクタル8Pが200円、MT7Pが100円とあり、これでも当時高かったのかな?

RCAジャック・SPターミナル・・・まだ金メッキなんて無かったころです。スピーカー端子はワンタッチ式が出現し、流行っていた時代で右に習えでした。



→ 回路図が無いので結果