6AC5GT 代表規格
整流管規格
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Outline 6AC5GTが手に入ったのでダイナミックカップルドアンプを作ろうと思ったわけですから、何となく浅野氏のアンプをステレオ化しただけになってしまいそうですが、そこは現代ソースに合わせてNFBを掛けたり、デカップリングの容量を増やしてSNの向上に努めたりと、多少の努力はすることにします。 普段常用できるアンプとするため、入力2系統のスイッチやボリュームを付けたり、傍熱管なのであまり必要ありませんが、クセで2段階電源スイッチを付け、ヒーターエージングが出来るようにするなど、使いやすさも考慮しました。 また、今回は徹底的にビスが見えないデザインにするなどの見た目も配慮しています。 プレート電圧250V時のグリッド電流5mAで、この数値に合うダイナミックカップルとして組み合わせるドライバー管は76、56、6P5GTが指定されています。プッシュプルの場合は6AE7GTが専用ドライバーとして開発されています。 オリジナリティを発揮してじっくり探せばドライバー管として適合する球が他にもあるかも知れませんが、76を数本持っていますので、ムリに探す必要も無く、76を使うことにします。 それほど出力の大きなパワー管ではありませんので、規格通りプレート電圧は250Vまで掛ける予定で全体のアウトラインを決めていくことにしました。 7kΩのシングル用出力トランスの手持ちを探したところ、山水のHS-7とHS-7A、他にはユニバーサル仕様のタンゴU-608とアトムの品番不明のものがありました。本来なら42シングルで使ったタンゴのFW-20-7Sあたりがあれば使いたいところですが、無いのでこの中で一番コアボリュームが大きそうなHS-7Aを使うことにしました。 初段は一番有名なMT9Pシリーズを使うことにし、最初の予定では12AT7でした。ここはNFBの量を迷っていたため、ゲインが変わることに対応できるよう考えていました。 初段管は12AT7を選んでおけばNFB量を変更した時、12AU7や12AX7に挿し替えてゲイン調整が出来るので便利です。また初段を2段に分けたりSRPPやカスコード接続にしたりと、色々変更できるため双三極管にしました。最終的には12AX7Aをパラで使うことになりました。 メインで使っているスピーカーはS5500で4Ω、他に自作の8Ωと16Ω、PC用のヤマハのミニスピーカーは6Ωとバラバラで、いつも不便さを感じていました。 そこで差替式プッシュプルアンプを作った時に出力端子を4Ω、8Ω、16Ωの全てを出したところ、大変便利だったので、今回も全対応できるようにしました。但しそれだけの端子を並べるスペースが無いので、今回はロータリースイッチで切替式としました。 |
電源部 今回は初めて市販のノイズフィルターを取り付けてみることにしました。 電源トランスの都合で整流回路は真空管とシリコンダイオードによるハイブリッド・ブリッジ整流としました。 整流管は手持ちの中から使うとして、パワー管の消費電流が少ないことから5AR4を使うのは大げさな気がしましたので5Y3GTをメインに決め、ついでに6X5GTも緊急時には使えるよう回路図には無いソケット廻りの配線がしてあります。 なぜ緊急時かと言いますと、6X5GTはB電流値がギリギリだからです。 5AR4が使えると5U4GBも使えると思ってしまうため、5Y3GTにしたと言う経緯もあります。これは5U4GBですと電源トランスのヒーター巻線の電流容量が足りなくなるからです。 チョークコイルも手持ちの都合でラックスの4630を並列接続としB電流最大値に対応しています。 全体的にパワー管の消費電流が少ないので電源部も負担が小さく、設計がラクです。 |
↑整流管は5Y3GTのほか、緊急時に6X5GTも使えるよう配線してある 整流管の品番間違いを訂正・2020年3月20日/6X4GT→6X5GT、5U4GT→5U4GB |
→ シャーシー設計と使用部品 |