ずいぶん早い改造ですが、改造前の音が悪かったワケではありません。スペック的にもそこそこの性能が出ています。ではなぜ? となりますが、なんとなく気に入らないのです。 バカなハナシですが、QUAD2型回路の特徴をもっと知りたくなって、改造前ではその特徴が出ているとは言い難く、それが気に入らず、もう少し近づけようと思ったまでです。 それだけではなく、実は以前調整中に製作台に載せたままビス締め付けで上から強く押さえつけてしまい、その時に塗装がはがれてキズ付いてしまいました。これも修正しようと思いました。 | ||
水色矢印部分、塗装がはがれてしまったのが気になっていた。トランスを取り外した部分も塗装がはがれている。 サブシャーシーを使用していたので、全分解しなくてもシャーシーからパーツを取り外せる。 主にサブシャーシー部、ACインレット+電源スイッチ、ブロックケミコン部、出力端子部、の4つに分解すればシャーシーから全て外せた。 |
改造の前に前回の宿題解決前回測定時に残留雑音の数値がボリュームセンターでは低いのに、両端では1mVを超えるのが気になっていましたが、よーく点検してみると単純ミスでした。 全てのヒーター配線の片方をアースに落とすのを忘れていたのが原因で、修正したらあっさり0.13mV(VR最小)〜0.19mV(VR最大)に低下しました。お恥ずかしい限りです。 そのため、ブロックケミコンと並列に100uFを内部に追加していましたが、効果が薄いのでこれも取り外しました。 キズ修正の方法完成したばっかりでキズ付いた時はショックでしたが、冷静に見てみるとサブシャーシーを使用していたので、ある程度分解すれば何とかなりそうな気配です。 他のアンプも長年使っていると多少のキズが付いたものはありますが、全てキズが小さいので、タッチアップペイントのみにしていました。 本機のキズは少々目立つのと、どうせ改造するつもりなので、この際全分解して塗装しなおします。 シャーシーのみになったら文字シールも全て剥がして水研ぎし、通常の方法で再塗装しました。 塗装後、乾燥中数日を利用して回路の改造を行いました。これも幸いですが、サブシャーシー上で改造ができます。 前回、ユニバーサル基板を使ってコンパクトにしましたが、調整・パーツ交換しにくいし、測定時もテストクリップを付けにくかったので、やはり基板はやめて通常のラグ板配線に変更しました。 回路の定数変更さて、肝心の回路の方ですが、もう少しQUAD2らしさを出したいと思い、初段兼位相反転段のゲインをもっと上げ、NFBがQUAD2にしては浅すぎたので、もう少し深くしました。 ところでQUAD2の特徴的な反転信号の注入方法ですが、故・浅野勇氏の解説では分割抵抗の定数は初段のゲインで比率を決めることになっています。 今回はもう少し厳密に計算し、前回より定数を変え、初段の裸ゲインが189.1倍(45.5dB)なのでRg1+Rg2:Rg2の比率からRg2を2.4kΩに変更しました。 おそらくここのゲインは予定通りに行かない気がするので、本当はRg2をバリオームにして歪率を見ながら調整した方がいい気がします。気が向いたら実験したいと思います。 パワー段ももう少しバイアスを深めに設定し、前回ムダだったサーメットトリマーも廃止しました。但しカソードバイパスコンデンサーはそのまま2本をパラ接続にしています。 これは後でカソード抵抗を上下分割にしたくなった時にそのまま使えるようにしています。 |
→ 測定結果と試聴 |