↑PH時の状態。本機はPHでもマジックアイが最小で点いている ↑相変わらず照明用の配線はボロボロ ↑外したペーパーコンデンサー。赤矢印の1つ、何とパンクしていた。これが故障の原因。 |
電源は入るがラジオは聞けないとのことでやって来た本機。このような場合、大抵は「電源は入る」→「スイッチが動く」とか「ランプは点く」と言う意味で、不動なことが多いと見て良いでしょう。 早速、危険がないかをチェックするため、電源をつなげる前に中を見ることにします。 ナショナルのラジオはいつも通り照明の配線材がボロボロで危険なので、通電チェックする前に修理する必要があります。 今回は在庫の関係で照明ランプ、PHパイロットランプ、アンテナ線の全てにAWG20/0.5sqと言う太い線材を使いました。太すぎて配線しにくいのですが、切れる心配もないので良しとします。 配線材を交換すると言うことはシャーシーを外し、ほぼ分解することになりますから、結局はペーパーコンデンサー交換など全ての修理を先にすることになります。 外してみるとコンデンサーが1つパンクしていました。但しこのコンデンサーはACの1次側に入っているノイズフィルターの役目なので、ショートでなければ直接不動の原因にはなっていません。 コンデンサー類は在庫の関係でオーディオ用の松下製ポリプロピレンフィルム、マイラー、昔は高かったZEUSのキャラメルマイカなどが余っていたので惜しげもなく使ってしまいました。 水色のものは予備で買ってあった積層セラミックコンデンサーです。 本機のOPTは通常7KΩ(実測DCR1617Ω)側に配線されているハズですが5KΩ(実測DCR1534Ω)側に接続してありましたので、7KΩ側に配線しなおしました。 その際に発見しましたが、5KΩ側のリード線がかすかにつながっており、切れそうになっていましたので、これは本機の不動と言われていた原因のようです。(あれ? この症状、前にもあったな?) 他の修理としては球切れ照明ランプを交換、アンテナ線にみの虫クリップ取付け、溶けているアンテナ線引き出し部のゴムブッシュ交換、などいつものメニューです。 一通り交換して動作テストをしてみたところ、見事に受信できましたが感度がいま一つ、チューニング時にキャリア音(ビート音)が大きいのも気になります。 そこでSSGから455kHzの入れてIFTのズレを調整、これで感度アップ、キャリア音も低減しました。 電気的な修理が終わり組み立ててみると、どうもビンテージ感とは違う中古感が漂い、イマイチ不満です。 一番気になったのは真鍮飾り部のサビが酷くて見すぼらしいため一旦外し、サンドペーパーで丁寧にサビを取り、最後にコンパウンド磨き上げてピカピカにしました。これでだいぶ見た目が良くなりました。 本当は筐体もキレイにしたいところですが、現在の環境ではホコリを立てられないため木材をペーパー掛けできず、仕方なくそのままです。 他に今回見送った修理は電源ロータリースイッチがクリック球がなく、グニャグニャ感触のままです。これはベアリングなどの球が使えそうなので、同じサイズのものが見つかり次第、直すことにします。 もう1つ、ボリュームにガリがありますが、まだ分解するほどひどくないので、こちらももっと消耗したら分解することにします。 |
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↑修理後のシャーシー背面。 |
↑修理後のシャーシー前面。 |
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↑コンデンサー類交換後 | ||
↑リアパネル。穴をカバーする布がまだ残っている |
↑BL-265はSPが背負っているいつもOPTが違う |
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