↑バリコンのゴムを交換した後 ↑アンテナ線はみの虫クリップを付けた |
ナショナル(松下電器/現パナソニック)のUM-385です。ラジオを数台使ってみると、機能が少なくシンプルでいいから小さくて邪魔にならない機種が欲しくなりました。 このUM-385はそう言った意味ではバッチリで、SW無しのMW(AM)のみ、幅375mmで東芝のかなりやシリーズよりも少スペースです。 動作未確認のジャンク品と言うことで入手したのですが、どうせ昭和の真空管ラジオは手を入れる必要があると思っていましたので、大きな破損がなければ充分です。 色々確認してみると受信はできますが、どうやら音が小さいようです。シャーシーを取り出して各部電圧を計ってみると全体的に電圧が低めです。ほとんどの場合、球のエミッション低下かコンデンサーのリークでこのような現象になりますので、ペーパーコンデンサーを全てフィルムコンデンサーに交換することにしました。 球は12AV6がエミ減気味ですが、音量低下はコンデンサーの方が原因でしたので、まだ使える限りそのままにすることにしました。 交換が必要なのは照明用の6.3V電球の方で、こちらは切れていました。この機種はトランスレス機ですが、照明とマジックアイの電力は小さなトランスを搭載して取っていますので、普通のトランスレス機のように電球が切れても整流管のヒーターが切れずに済んでいました。 ナショナルのラジオはバリコンゴムの劣化が激しく、照明の配線材がボロボロになっていることが多く、このUM-385も例外なくそうでした。共通する修理ですので別リンクにしています。 筐体はクリアパネルにホコリが入り込んで黒ずんでおり、見た目が汚いため分解清掃することにしました。 この機種もクリアパネルは黒い本体にツメ部分を差し込んで溶着されており、面倒ですがこれを削り取らないと外れません。 いつも長いアンテナ線は取り回しが悪いため、切ってターミナル端子かみの虫クリップを取付けますが、この機種はシャーシーの穴が加工しないとターミナルが合わないため、みの虫クリップにすることにしました。 電源スイッチは通常、OFF→1(LOW)→2(HIGH)となっており音質切替えができますが、この機種のLOWはかなり音がこもって聞き取りずらく、LOWポジションで使う人は少ないと思います。 そこで音質切替えを廃止し、この機種の特徴である貴重なマジックアイ(1H3)を長寿命化させるため、このスイッチでオン/オフできるようにします。改造後の電源スイッチは、OFF→ON(マジックアイON)→ON(マジックアイOFF)となります。 これなら筐体加工なしでオリジナルを保ったまま改造できます。 |
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UM-385は筐体内部の天井にアンテナ板が貼ってあるので、ロケーションの良い場所でしたらアンテナ線をつなげなくても受信することができます。感度は悪いので音量は小さいですが。 |
筐体は東芝製品より厚みがあり、たわんだりしないのでしっかりしてて丈夫そうです。でももし割れたら面倒そうですね。 |
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